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2022年 代表的な4つの米国BtoBセールストレンドとは?

2021年も新型コロナウイルス感染症の影響により、営業活動の場面においても、オンライン商談やウェビナー、オンライン展示会など、テクノロジー活用が進んだ1年となりました。2022年の営業トレンドはどのようになっていくでしょうか。

今回は2022年の米国BtoBセールストレンドに関する記事を参考に、複数の記事で注目されている2022年の代表的な4つの米国BtoBセールストレンドについてご紹介します。

1. パーソナライズされた顧客体験が重要に

2022年はBtoB営業の場面においてもBtoC同様にパーソナライズされた顧客体験が求められるようになる、と複数記事で紹介されています。

Zendeskの2022年に注目すべき5つのセールストレンドに関する記事では、パーソナライズに関して以下のように紹介されています。

2021年のForbesの調査によると、98%のマーケターがパーソナライゼーションによって顧客との関係が深まると答え、91%のバイヤーが自分と関わりのあるブランドで購買する可能性があると報告しています。これらの数字は、商品そのもの以外の販売面に注目することが、B2Cの店頭販売から大手のB2B販売まで、あらゆる販売戦略にとって非常に重要であることを証明しています。

引用:5 sales trends to watch for 2022 | Zendesk

BtoB営業場面でパーソナライズを図る方法とは

それでは、実際にBtoB営業の場面においてパーソナライズを図る方法とはどのようなものがあるのでしょうか。

例えば、顧客に合わせたメール内容のカスタマイズ、Webサイトのカスタマイズ、営業資料のカスタマイズ、プロダクトデモのカスタマイズ、広告クリエイティブのカスタマイズなどが挙げられます。

顧客属性に応じてメール文面や件名を変更したり、業界ごとにLPを使い分けたりすることが、それぞれの営業フェーズにおけるコンバージョン率を高めていくことに繋がっていきます。

問い合わせフォームの工夫

パーソナライズされた情報を顧客に届けるためには、問い合わせフォームの工夫も重要になってきます。

営業向けスケジュール調整サービスChili Piperのデモ予約フォームでは、利用しているCRMの入力が必要となっています。

ここで入力された情報を元に、各社の利用CRMに合わせてカスタマイズされたメール文面やデモを提供しているようです。

BtoC領域において注目されてきたパーソナライゼーションの概念が、BtoB領域でも浸透していくのでしょうか。今後ぜひ注目したい領域です。

参考:
Personalized marketing for B2B: How to get started and improve your ROI | Clearbit
All you need to know about B2B personalization | Digitalzone

2. ソーシャルセリングに対する認知拡大

日本国内でも2021年には度々耳にする機会があったソーシャルセリングについても、2022年の米国BtoBセールストレンドとして複数の記事で紹介されています。

あなたの会社がソーシャルメディア上で大きな存在感を示していないとしても、顧客があなたの会社について調べたい時、FacebookやInstagramをチェックする可能性は、会社の公式サイトをGoogle検索するのと同じくらい高いです。(中略)

ソーシャルメディアのアカウントと、ウェブサイトでの簡単なコミュニケーションを設定するために時間をかけてください。

引用:5 sales trends to watch for 2022 | Zendesk

ソーシャルセリングは、ソーシャルメディア、主にLinkedIn上で行われる様々なセールスのやり取りを包括しています。企業が効果的なソーシャルセリングに取り組んでいるかどうかが、2022年の決定的な特徴になると思われます。(中略)

より多くのブランドが、顧客と接点を持つ前にブランド認知度を高め、見込み客と有意義なつながりを持つためにLinkedInを理解し、活用しています。(中略)

LinkedInによると、B2Bリードの80%はプラットフォームからのものです。

引用:Key sales trends in 2022 | GetAccept

ソーシャルセリングとは

ソーシャルセリング(social selling)は、LinkedIn、Twitter、Facebook、Instagramなどのソーシャルネットワーキングサービスを活用して、適切な見込み顧客を見つけ、信頼関係を構築し、最終的に販売目標を達成していくプロセスのことです。

参考:What is Social Selling? | LinkedIn

単にいきなりSNSのダイレクトメッセージを送信して営業活動を行うのではなく、自身の関連領域への専門的な情報発信などにより、見込み顧客と信頼関係を構築していくことが大切だと言われています。

アメリカ国内ではLinkedInを活用したソーシャルセリングが主流となっており、LinkedInからの見込み顧客リスト作成やリード獲得を支援するDux-Soupなどのようなソーシャルセリングを支援するサービスも複数存在します。

日本国内においては、まだまだソーシャルセリングに特化したサービスは多くないですが、国内のソーシャルセリングの動きに関しても、2022年は注目していきたいところです。

3. 営業活動における非同期動画コンテンツ活用の加速

2022年もZoomなどを活用したオンライン商談継続が見込まれる中、営業活動における非同期動画コンテンツ活用についても、2022年の米国BtoBセールストレンドとして紹介されています。

BtoB向けデジタルセールスプラットフォームを提供するGetAcceptは、2022年の主なセールストレンドの記事の中で、非同期動画コンテンツ活用について以下のように述べています。

マーケティング用の動画コンテンツもまだ存在しますが、ユーザーが作成した動画の方がバイヤーの心に響くことが証明されています。営業チームは、営業担当者による迅速、簡単、かつクリエイティブな動画作成をサポートするために、社内のリソースやプロセスを調整する必要があります。(中略)

基本的にZoomなどの同期チャネルの外で共有され消費されるアドホックな動画コンテンツを意味します。(中略)

ビジネスの世界が広範囲にわたるビデオ通話の疲労に適応するにつれて、非同期のビデオインタラクションにより、営業担当者が購入者に印象を与えることが容易になります。

引用:Key sales trends in 2022 | GetAccept

動画コンテンツの作成が容易に

クリック1回で自身を撮影したり、スクリーンシェアに解説を付けたりして簡単に動画メッセージを生成するLoomのような動画生成サービスも複数生まれており、どのような規模の営業チームでも本格的で魅力的な動画コンテンツを比較的容易に作成することが可能になっています。

こうしたユーザー生成の動画コンテンツを商談前に共有し、お互いが時間を使わず非同期でサービス説明やデモを行えるようになることは非常に生産的です。

Zoomなどを用いた現在のオンライン商談の形は、実はまだまだ最適ではないのではないかと考えさせられます。

営業活動における非同期の動画・音声コンテンツなどの非同期コミュニケーションに関しても、2022年はぜひ注目したいところです。

4. セールス・イネーブルメントに取り組む企業増

日本国内でも耳にする機会が増えてきたセールス・イネーブルメントについても、2022年注目の米国セールストレンドとなっています。

営業学習プラットフォームを提供するAllegoはセールスイネーブルメントテクノロジーの現状  2022年に向けての展望の記事にて、以下のように言及しています。

録音した音声通話やWeb会議で、購入者に直接影響を与えているチームメンバーの行動や会話パターンを確認することもできます。適切な設定と統合により、特定の担当者がどのような行動で差別化を図っているのか、残りの担当者をより優秀にするためにどのようなコーチングを行えばよいかを確認することができるのです。

参考:The State of Sales Enablement Technology: What’s in Store for 2022 | Allego

セールス・イネーブルメントとは

セールス・イネーブルメントとは「成果を出す営業社員を輩出し続ける人材育成の仕組み」「営業社員が営業目標を達成し続けるようにするための仕組み」と言われています。

従来の営業研修と異なる点は、実際の商談や営業成果などのデータに基づいて、営業組織が成果を出すための施策を企画・実行し、どの施策が成果に結びついたのかを検証していくPDCAサイクルにあります。

オンライン商談の機会が増え、これまで取得が難しかったフィールドセールスの場面でのデータ取得機会が増える中で、セールス・イネーブルメント市場も成長が見込まれています。

データに基づいた実践的な営業トレーニングを企画し、トレーニングの成果を測定してPDCAを回していく、という動きが日本国内でも増えていくのではないでしょうか。

参考:営業力を強化する世界最新のプラットフォーム セールス・イネーブルメント | バイロン・マシューズ 他(著)

おわりに

ここまでが、2022年の代表的な4つの米国BtoBセールストレンドについてのご紹介でした。

ソーシャルセリングや動画コンテンツ活用など、リモートワーク環境における新たなセールスの形が生まれてきています。

そのようなWeb上での営業活動のデータを元にした顧客に応じたパーソナライズ戦略や、営業組織が成果を出すためのセールス・イネーブルメント施策の実践などが大きなトレンドと言えそうです。

REMOTE HACKを運営するPeer Lodgeでは、商談録音分析により組織の営業レベルを可視化、最適な営業トレーニングをレコメンドするセールス・イネーブルメントツール「キクカチ」を提供しています。

今回ご紹介した米国セールストレンドや営業組織におけるテクノロジー導入に関するノウハウのご紹介も可能ですので、ぜひお気軽にお問い合わせください。

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